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白馬岳の大雪渓に土砂 2人不明 大雨で山肌崩落か 2008年8月20日 朝刊( 中日新聞)
19日午後4時10分ごろ、長野県白馬村の北アルプス白馬岳(しろうまだけ)の大雪渓上部(2400メートル付近)で、北アルプス北部地区山岳遭難防止対策協会(遭対協)の白馬岳常駐隊員が大規模な土砂崩落を確認し、県警大町署に連絡した。県警や同村対策本部によると、男女2人と連絡が取れておらず、土砂に巻き込まれた可能性もあるとみて確認を急いでいる。一帯は同日朝から雨に見舞われ、大雨で山肌が崩壊した可能性がある。
白馬村は対策本部を設置。県警や遭対協などは20日早朝から、救助犬とともに16人態勢で捜索にあたるほか、県警ヘリで上空から捜索する予定。
県警などによると、山頂に向かう大雪渓の登山道に沿って幅35メートル、長さ70メートルにわたって土砂が崩落し、1・5-2メートルの高さに堆積(たいせき)した。
崩落現場脇に同県安曇野市の登山ガイドの男性所有の登山ザックが置かれていた。男性ガイドは登山者の女性と2人で18日に白馬尻小屋に宿泊し、この日は大雪渓から山頂に向かっていたらしい。
山頂にある白馬山荘では、19日夜に3つのグループの計8人が宿泊予定だったが、このうち2グループの6人は登山を取りやめており、無事が確認されている。現場は大雪渓上部の大きな斜面「葱平(ねぶかびら)」を横切るように、北側の斜面から崩落したとみられる。
国土交通省松本砂防事務所によると、白馬岳の雨量計は19日午前10時に1時間あたりの降水量が24ミリを記録、夕方までに118ミリと激しい降雨だった。遭対協では「雨で土が緩んで(土砂が)流れてきたのではないか」としている。白馬村では13日から17日朝までも雨が降っていた。村対策本部は、登山道の白馬大雪渓ルートは猿倉荘から山頂側を入山禁止とした。
大雪渓では2005年8月にも、2人が死傷する大規模な土砂崩れが起きている。
【白馬岳の大雪渓】 長野、富山県境の北アルプス・白馬岳(2、932メートル)の南東の長野県側斜面に延びる全長約3500メートル、標高差約600メートルの雪渓。長野・富山県境の針ノ木岳、富山県の剣岳の雪渓とともに日本3大雪渓に数えられる。雪渓は高山の谷などに夏になっても雪が解けずに大きく残ったもの。白馬大雪渓の上部には高山植物のお花畑があり、白馬岳への登山道にもなっている。白馬村によると昨夏には約1万人が訪れた。
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